麻酔科
(2024年5月28日更新)
麻酔について
麻酔とは
麻酔とは何でしょうか。辞書をみると薬剤等を使い一時的に神経機能を低下させて、痛みの感覚や意識を失わせることと書いてあります。
一般的に麻酔とは、外科手術という極限状態の患者さんの全身状態を集中管理し手術を円滑に行う為の、手術と同等な高度な手技であるといえます。
人類誕生から10万年ですが、手術が行われるようになったのはたったここ200年程度です。当たり前のことですが人間の体は手術に順応するようには出来ていません。治療のための手術も、人体からすると大怪我を受けた事と何ら変わりありません。人体は大怪我に対しあらゆる防御と、疼痛という非常事態警報を打ち鳴らし、ストレスに対し反撃を試みます。
麻酔科医は疼痛を遮断し有害反射を止め、全身麻酔では意識も消失させ筋の緊張も取り有効な呼吸を維持するために人工呼吸を行います。そして術中のあらゆる事態に対応し、生体の恒常性を維持させます。これが麻酔であり麻酔医の仕事と言えます。
麻酔の進歩
手術の進歩は麻酔の進歩無しには成しえません。日本では昭和25年に初めて気管内挿管の麻酔が紹介されたことにより麻酔の劇的な進歩が進み、外科手術も飛躍的に向上しました。長時間の手術が可能になり、全ての臓器の手術を行えるようになりました。
新しい吸入麻酔薬や静脈麻酔薬、筋弛緩薬が次々に開発され、より安全に、より早い麻酔導入と覚醒が可能となりました。術中モニターも進化し、簡便に血中酸素飽和度を計測できるパルスオキシメーターなどは、今では麻酔に限らずあらゆる検査の必需品となっています。
疼痛対策については術中だけではなく、術後も行われるようになってきています。硬膜外麻酔の持続注入により術後も痛くない手術が一般的になっています。
当院の麻酔について
当院では、大分大学医学部麻酔科の御協力と御指導を受け常に最新の麻酔施行を心掛けており、年間200件前後の全身麻酔を行っています。
麻酔科標榜医 柏木孝仁